子供も独立をし始め、これから始まるセカンドライフに向けての貯蓄が始まります。
ご結婚されている方にとっては、家計のやりくりは主婦の腕の見せ所でしょう。
いかに不要な支出を削って、貯金に回していくか。
その中には保険の見直しも入っていることと思います。
でも、気になるのはやはりご自身の体。
周りで病気になる方が増えてくるのもこの年代だと思います。
では、50代の女性にとって、女性保険は必要なのでしょうか?
50代女性に必要な保障を統計データから
繰り返し記載していますが、女性保険は、女性のための保険、ではなく、通常の保険に女性特有の保障をプラスしている保険です。
そのため、基本的には、保障内容は通常の保険とほぼ変わりがありません。
女性保険について、詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
上記記事に記載しているとおり、女性保険はいくつかの保障を組み合わせて設計されています。
- 死亡保障
- 医療保障
- がん保障
組み合わせているとはいえ、それぞれの保障についての要不要は判断できますので、まずはそこから始めていきましょう。
そうすれば、必要な保障は見えてきますし、必要な保障だけが入った保険を買うことで、無駄な出費をおさえることができます。
ここで注意してほしいのは、女性保険は女性特有の保障がついている分、保険料は高くなる、という点です。
ですので、ご自身が必要な保障によっては、女性保険よりも普通の保険を買ったほうが、安くかつ充実している、ということが普通にありえます。
この点に注意しつつ、それぞれの保障について見ていきましょう。
では、50代女性にとって必要な保障ってどういう保障なんでしょう?
他の保険同様に統計データから見ていきますね。
統計データは、
上記を元に、管理人が算出した値を記載しています。
死亡保障に関するデータ
50代の死亡保障に関するデータは、以下の記事にまとめていますので、興味のある方はご参照ください。
重要なところだけピックアップしますと、
- 50歳~54歳:0.18%(556人に1人)
- 55歳~59歳:0.27%(376人に1人)
悪性新生物 | 55% |
その他 | 17% |
自 殺 | 8% |
心疾患 | 7% |
脳血管疾患 | 7% |
不慮の事故 | 3% |
肺 炎 | 1% |
老 衰 | 0% |
悪性新生物 | 57% |
その他 | 18% |
脳血管疾患 | 8% |
心疾患 | 8% |
自 殺 | 5% |
不慮の事故 | 3% |
肺 炎 | 2% |
老 衰 | 0% |
これまでの年代同様、女性は同年代の男性に比べると、亡くなられる確率は約半分です。
とはいえ、やはり少し現実味を帯びる数値になってきました。
そして、亡くなられる原因は過半数以上が悪性新生物です。
治療も含め、がんに対する備えは必須であるといえます。
これらのデータを見て、死亡保障に加入するかどうか?なのですが、基本的には不要である、と思います。
例外としては、
- 独身または主婦の方で葬儀費用が貯蓄で賄えない方
- 子供がまだ独立しておらず、収入を担っている方
1.についてですが、葬儀費用の相場がだいたい100~200万円と言われています。
貯蓄でまかなえるのであれば、心配は不要なのですが、そうでない場合は、保険でカバーするという選択肢が出てきます。
女性保険の死亡保障が500万円程度ですから、十分に葬儀費用はカバーできると言えます。
次に、2.についてですが、お子さんがどのステージにいるかによっても変わってきます。
遅くに子供を生まれた方でしたら、まだ小中学生の場合もあるでしょう。
その場合、ご自身に万が一のことがあると、今後必要になるお金は数千万円になると思います。
そのリスクを女性保険でカバーしようとすると、保障が全く足りませんので、別途、定期保険に加入するなどを検討されるほうが良いでしょう。
万が一のことが起こった場合、どのくらいのお金が必要になりそうか?を計算するには、ライフプランシミュレーションを利用するのが便利です。
ライフプランのシミュレーションは簡単に行うことができますので、よろしければ下記記事をご参照ください。
逆に、お子さんがだいぶ大きくなられていて、現在、大学生の場合などですと、独立までに必要なお金はそこまで大きくありません。
死亡保障の金額としては、女性保険の保障で十分であると言えます。
しかし、お子さんが独立したあとは、おそらく保険の見直しをされると思います。
セカンドライフに向けて、必要な保険のみ残し、ほかは貯蓄に回す必要が出てきますから。
その場合、おそらくココで加入した女性保険も見直すことになるかと思います。
それを考えると、そのためだけに女性保険に入るのは少しもったいないかな?という気がします。
死亡保障だけを考えるなら、安い定期保険でも十分な気がしますね。
医療保障に関するデータ
50代の医療保障に関するデータは、以下の記事にまとめていますので、興味のある方はご参照ください。
重要なところだけピックアップしますと、
- 50歳~54歳:0.48%(208人に1人)
- 55歳~59歳:0.73%(137人に1人)
Ⅴ 精神及び行動の障害 | 41% |
Ⅱ 新生物 | 15% |
Ⅵ 神経系の疾患 | 8% |
Ⅸ 循環器系の疾患 | 8% |
ⅩⅢ 筋骨格系及び結合組織の疾患 | 5% |
その他 | 22% |
Ⅴ 精神及び行動の障害 | 42% |
Ⅱ 新生物 | 15% |
Ⅸ 循環器系の疾患 | 9% |
Ⅵ 神経系の疾患 | 6% |
ⅩⅨ 損傷,中毒及びその他の外因の影響 | 6% |
その他 | 22% |
- 50歳~54歳:0.22%(455人に1人)
- 55歳~59歳:0.29%(345人に1人)
その他 | 41% |
筋骨格系手術(四肢体幹) | 16% |
開腹手術 | 14% |
その他の内視鏡下手術 | 10% |
腹腔鏡下手術 | 8% |
経皮的血管内手術 | 5% |
開頭手術 | 2% |
開胸手術 | 2% |
胸腔鏡下手術 | 1% |
その他 | 42% |
筋骨格系手術(四肢体幹) | 20% |
その他の内視鏡下手術 | 11% |
開腹手術 | 10% |
腹腔鏡下手術 | 6% |
経皮的血管内手術 | 5% |
開頭手術 | 3% |
開胸手術 | 3% |
胸腔鏡下手術 | 1% |
- 50歳~54歳:25.1日
- 55歳~59歳:26.2日
Ⅴ 精神及び行動の障害 | 221.3 |
Ⅲ 血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害 | 37.4 |
Ⅵ 神経系の疾患 | 35 |
ⅩⅢ 筋骨格系及び結合組織の疾患 | 23.3 |
Ⅸ 循環器系の疾患 | 18.2 |
ⅩⅡ 皮膚及び皮下組織の疾患 | 18.2 |
ⅩⅨ 損傷,中毒及びその他の外因の影響 | 17.3 |
ⅩⅧ 症状,徴候及び異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの | 16.8 |
Ⅳ 内分泌,栄養及び代謝疾患 | 15.6 |
Ⅹ 呼吸器系の疾患 | 12.7 |
Ⅱ 新生物 | 12.6 |
Ⅰ 感染症及び寄生虫症 | 10.9 |
ⅩⅦ 先天奇形,変形及び染色体異常 | 10.7 |
ⅩⅠ 消化器系の疾患 | 10 |
ⅩⅤ 妊娠,分娩及び産じょく | 9.6 |
ⅩⅣ 腎尿路生殖器系の疾患 | 9.1 |
Ⅶ 眼及び付属器の疾患 | 6.2 |
Ⅷ 耳及び乳様突起の疾患 | 6 |
ⅩⅩⅠ 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用 | 3.8 |
ⅩⅥ 周産期に発生した病態 | 0 |
Ⅴ 精神及び行動の障害 | 259.3 |
Ⅵ 神経系の疾患 | 40.5 |
Ⅸ 循環器系の疾患 | 27 |
ⅩⅡ 皮膚及び皮下組織の疾患 | 22.4 |
Ⅲ 血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害 | 22 |
ⅩⅢ 筋骨格系及び結合組織の疾患 | 22 |
ⅩⅨ 損傷,中毒及びその他の外因の影響 | 19.7 |
Ⅳ 内分泌,栄養及び代謝疾患 | 16.5 |
ⅩⅣ 腎尿路生殖器系の疾患 | 15.7 |
Ⅱ 新生物 | 14.2 |
Ⅹ 呼吸器系の疾患 | 13.8 |
Ⅰ 感染症及び寄生虫症 | 13.2 |
ⅩⅦ 先天奇形,変形及び染色体異常 | 12.9 |
ⅩⅧ 症状,徴候及び異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの | 10.1 |
ⅩⅠ 消化器系の疾患 | 9.8 |
Ⅷ 耳及び乳様突起の疾患 | 6.4 |
ⅩⅩⅠ 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用 | 5.7 |
Ⅶ 眼及び付属器の疾患 | 5.6 |
ⅩⅤ 妊娠,分娩及び産じょく | 0 |
ⅩⅥ 周産期に発生した病態 | 0 |
40代と比べると、入院率は1.5倍程度に増えていますが、手術率は変化がありません。
注目すべきは、入院理由と入院日数でTOPになっている精神系の障害ですね。
入院日数を見ると、平均して200日を超えています。
つまり、平均すると半年以上入院することになるわけです。
医療保障の大半が短期入院が主流となっています。
60日型ですと、通算入院日数60日までしか保証しませんよ、という感じですね。
たとえば、
- 一か月の医療費:100万円
- 240日(8ヶ月)入院
の場合ですと、
一か月の医療費:100万円
ここで、高額療養費制度を適用します。
医療費実額:80,100円 + (100万円 - 267,000) x 1% =87,430円
医療費としてかかるお金が決定しました。
まず、3ヶ月分の医療費を算出しますと、
3ヶ月分の医療費:87,430円 x 3ヶ月 = 262,290円
4ヶ月目以降は、多数該当になりますので、一律44,400円です。
残り5ヶ月分の医療費を算出しますと、
5ヶ月分の医療費:44,400円 x 5ヶ月 = 222,000円
総医療費は、
総医療費:262,290円 + 222,000円 = 484,290円
これに、食費である780円を入院日数分たしてあげると、
出費:484,290円 + 780 x 30日 x 8ヶ月 = 671,490円
医療保険の60日型、入院日額:10,000円の保障に入っていたとすると、
保険金:60日 x 10,000円 = 600,000円
実質支払うことになる差額は、
差額:671,490円-600,000円=71,490円
71,490円負担すれば良い計算となります。
「なんだ~それだけの負担額なら60日型でいいじゃない」
って思われるかもしれません。
しかし、注意しておいて頂きたい点が2点あります。
- 長期入院のリスクがあるのは女性特有の病気ではない
- 年齢が上がるにつれてさらに入院は長期化する
まず、1.ですが、見て頂いたとおり、入院が長期化しやすい精神系の障害は女性特有の病気ではありません。
つまり、女性保険のメリットが活かせない、ということなんですね。
女性保険のメリットは、女性特有の病気にかかった場合に、入院日額が2倍になる、といった女性特有の病気に対して手厚い保障がある点です。
しかし、40代から女性特有の病気は少なくなっていきます。
これは、女性保険に加入するメリットがなくなる、ということでもあります。
同等の保険を比較した場合、通常、女性保険のほうが保険料は高くなります。
たとえば、メットライフ生命の『Flexi』と『Flexi(女性専用タイプ)』を比較すると、
- 保険期間:終身
- 払込期間:終身
- 性別:女性
- 年齢:55歳
- 入院日額:5,000円
- 女性特有の病気での入院(Flexi(女性専用タイプ)のみ)
入院日額:10,000円 - 入院中手術:10万円
- 外来手術:2.5万円
- 放射線治療:10万円
- 骨髄ドナーの移植:5万円
- 健康お祝い金(Flexi(女性専用タイプ)のみ)
5年ごとに5万円 - 保険料(Flexi):3,027円
- 保険料(Flexi(女性専用タイプ)):4,032円
これはちょっと極端な例でして、健康お祝い金が女性専用タイプの保険料を引き上げてしまっています。
それでも、普通はこのように女性保険のほうが女性に対して手厚い保障をしている分、保険料は高いことが多いです。
例外としては、オリックス生命の『新Cure Lady』があげられます。
同等の医療保険として、『新Cure』があるのですが、この保険については40代くらいから『新Cure Lady』のほうが安くなります。
理由としては、『新Cure』にしかない保障である
- 三大疾病(がん、心疾患、脳梗塞)で入院した場合、入院日数無制限となる
- 七大疾病(三大疾病+糖尿病、高血圧疾患、肝硬変、慢性腎不全)の場合、120日まで保障
があげられます。
『新Cure』も『新Cure Lady』も60日型なのですが、『新Cure』のみ三大疾病および七大疾病については、入院限度日数が緩和されるわけです。
1.の結論ですが、通常は女性保険のほうが保険料が高くなりがちですので、女性特有の病気にかかりづらくなるこの年代においては、普通の保険に入ったほうがお得な場合が多いです。
とはいえ、女性保険にしかない保障、たとえば『新Cure Lady』の場合、がんの場合でも入院日額に5,000円プラスされます、といったものもあります。
そのため、女性だからといって女性保険にこだわらず、ご自身に合った保障を探してみてください。
次に、2.ですが、年を重ねるにつれて、さらに入院は長期化していきます。
今回のケースでは、7万円ちょっとの出費ですみましたが、入院が長期化するにつれて、その差額はどんどん開いていきます。
そのため、医療保険に加入するのであれば、少なくとも120日型、できれば180日型や60日~無制限に保障、といったタイプに加入されることをオススメします。
例のところでも見て頂きましたが、1ヶ月といった短期入院での支出は10万円程度であり、家計にそれほど大きな痛手にはなりません。
そのため、リスクとしてとらえておきたいのは、長期入院です。
長期入院になりがちな精神系の障害は、女性特有の病気でもなければ、七大疾病でもありません。
このことを踏まえて保険選びをされると、万が一の際に困ることは少ないと思います。
がん保障に関するデータ
50代のがん保障に関するデータは、以下の記事にまとめていますので、興味のある方はご参照ください。
重要なところだけピックアップしますと、
- 50歳~54歳:0.50%(200人に1人)
- 55歳~59歳:0.63%(158人に1人)
乳房 | 37% |
子宮 | 15% |
大腸 | 10% |
胃 | 7% |
肺 | 6% |
その他 | 25% |
乳房 | 32% |
大腸 | 13% |
子宮 | 12% |
胃 | 9% |
肺 | 8% |
その他 | 27% |
がんにかかる確率が、40代に比べると1.5~2倍と高くなっています。
乳がんにかかる確率は若干低くなってきたとはいえ、やはりがんにかかる確率のTOPは乳がんです。
がんにかかった際の平均入院日数は11~14日と少ないとはいえ、がんは入退院を繰り返すことが多いです。
また、通院により放射線治療やホルモン療法を行わなければいけないことも多いです。
治療期間も数年にわたることが多く、亡くなられる確率の過半数ががんであることも考慮すると、決して無視できないリスクであることがわかります。
長期にわたる入院も大きなリスクなのですが、それ以上にがんは警戒しないといけない病気だと思います。
とはいえ、他の年代にも記載しているのですが、女性保険にがんに対する保障を求めるのはイマイチな選択肢と言えます。
理由としては、がん保険に加入した方が良いから、なのですが、やはりがん保険のほうがかんに関する保障は手厚いモノが多いです。
女性保険ではカバーできない保障をカバーしてくれていたりするわけですね。
たとえば、メットライフ生命の『ガードエックス』。
この保険に、女性特約を付加すると、乳房再建術や、子宮・卵巣の摘出などを行った場合、50万円プラスしてお金が支払われます。
また、ホルモン療法を受けた場合、30万円を受け取ることができます。また、この保障は1年に1回となっていますので、5年間ホルモン療法を受けた場合、
- 30万円 x 5回 = 150万円
と、大幅に家計の負担を減らすことができます。
とはいえ、女性保険はそれひとつで薄く広くカバーできます。
がんに対しても同様です。
何を、どのくらいカバーしたいのかによって、がん保険を選ぶか、女性保険を選ぶかも変わってくると思います。
50代女性に女性保険は必要?
これまでの年代同様、基本的には不要だと思います。
- 医療保障+がん保障
を、手頃な保険料で手に入れたい場合のみ、選択肢に入ってくるのではないでしょうか。
とはいえ、医療保障のところでもお話しましたが、女性保険にはない保障が医療保険にはあったりします。
そのため、女性保険にこだわることなく、その他の保険を視野に入れて必要な保障を求められるのが良いかと思います。
また、保険に加入しない、という選択肢もあります。
これからはセカンドライフにむけての貯蓄が始まる大事な時期です。
出来る限り出費を減らしたい、と思うのは当然のことかと思います。
現時点で、ある程度の貯蓄があるのでしたら、入院や手術といったリスクに対する備えも万全と言えます。
たとえば、医療のところでお話した例を再度お話しますと、
かかった費用は671,490円です。
現時点で、これをまかなうことのできる貯蓄があるのでしたら、リスクに対する備えは十分と言えます。
このリスクに備えるために、月額6,000円の保険に加入していたとすると、
- 6,000円 x 12ヶ月 x 10年 = 720,000円
となり、10年間に2回入院しないと元がとれない計算となります。
現時点でリスクに対する貯蓄があるのでしたら、保険に回すお金を貯蓄に回すことで、のちのち余裕がある生活ができることになります。
まずは、リスクをピックアップされて、それぞれに対して備えがあるかどうか、チェックされることをオススメします。
そのうえで、必要な保障のみを購入していきましょう。
年齢を重ねるにつれて保険料は高額になっていきます。
そのため、大きな買い物になってしまうんですね。
備えられているリスクについては切り捨て、必要な保障のみを購入していくことで、あまったお金を貯蓄に回すことができます。
そうすることで、余裕のある豊かなセカンドライフを送ることができると思いますよ。
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