定期付き終身保険は、国内生保の主力商品だった商品ですね。
内容は、
- 主契約は終身保険
- 特約に定期特約
というものです。
いわゆる死亡保障の保険ですね。
定期特約をつけることで、保険金をアップさせた商品です。
では、今この商品を買うことにメリットってあるのでしょうか?
定期付き終身保険の詳細
先ほども記載しましたが、定期付き終身保険は、
- 主契約:終身保険
- 特約:定期特約ほか
という商品です。
主契約は保険の本体、特約はオプションのようなもので、つけてもつけなくても良いもの、とイメージしていただけると良いと思います。
特約には定期特約のほか、
- 医療特約
- がん特約
- 逓減定期特約
などなど、いろいろなオプションをつけることが可能です。
ここでは、シンプルに考えるため、定期特約以外の特約はつけないものとして考えますね。
だいたいどんな感じか図にしてみますと、
こんな感じですね。
需要があるとして、どういう方に必要かというと、
死亡保障ですから、万が一のことがあった場合、お金を残す必要がある方になります。
具体的に言うと、結婚されていて、子供がおられるご家族ですね。
家計を支えているご主人、また奥さんに何かあった場合、配偶者の方の今後の生活費、また、お子さんの養育費、教育資金は膨大な額になります。
そういったリスクに対応するために加入する保険と言えます。
そして、無事にお子さんが独立されたあとは、定期特約を解約します。
そうすると、終身保険が手元に残りますので、解約してセカンドライフの資金にしてもよし、そのまま残して葬儀費用にするもよし、という流れになります。
ただ、問題なのは、社会人になりたての方にもこういった保険が勧められることなんですね。
確かに若くして加入した方が保険料は安く上がります。
しかし、そもそも保険が必要ない方が保険に加入すること自体、無駄と言えます。
保険は基本的には必要のないものであって、保険に加入するには目的が必要です。
加入する目的がないのでしたら、保険には加入しなくても良いと思います。
定期付き終身保険のメリットデメリット
定期付き終身保険のメリットは、さきほど記載したとおりです。
- 必要なときに多額の保険金を準備できる
- 大きな保障が不要になれば終身保険のみ残し解約することができる
- 終身保険は貯蓄型の保険であるため、掛け捨てという懸念がなくなる
定期特約をつけることで、割安で大きな保険金を準備することができます。
お子さんがまだ小さい間や、大学に入学するまでなどは、大きな保障が必要になるケースが多いです。
そのため、必要な金額に応じて保険金を設定することで、万が一のリスクに備えることができます。
また、教育資金の総費用というのは年々減っていきます。
お子さんが生まれたときは3,000万円、10年後は2,000万円、といった感じですね。
定期特約は基本的に5年や10年で更新するケースが多いですから、更新のタイミングに合わせて、保険金を減額していけば、無駄をなくすことができます。
そして、主契約である終身保険は貯蓄型の保険です。
保険料を払い続ければ、何事もなくとも、少なからずお金が戻ってくる保険です。
そのため、「掛け捨てはちょっと・・・」という方にもオススメできる商品になっています。
では、デメリットを見てみましょう。
- 定期保険に加入するより保険料は割高
- 終身保険に加入することで長期間資産が凍結される
終身保険が貯蓄型の保険であるため、貯蓄保険料が保険料に上乗せされます。
そのため、同額の定期保険よりも割高になることが多いです。
また、終身保険はその名のとおり一生涯を保障する保険ですから、保険期間は長期間にわたります。
その間、資産、すなわち払い込んだ保険料の一部は基本的に引き出したりすることができません。
今後、金利が上昇し、定期預金などに預けたほうが利回りが良い、という状況になっても、終身保険を解約することはできません。
正確には解約はできますが、当然、保障はなくなります。
また、元本割れする可能性が高いです。
そのため、軽々に解約することができないんですね。
定期保険と終身保険の違いについては、以下の記事もご参照ください。
ここまで見た感じですと、デメリットのほうが大きそうですね。
定期付き終身保険を購入するより、定期保険を買ったほうが良さそうです。
では、どういったときに定期付き終身保険を買えば良いのでしょう?
定期付き終身保険を買うたった一つの理由とは
たった一つの理由、それは
金利
です。
生命保険の有利なところは、加入時の予定利率でずっと固定される、という点です。
そのため、バブル期に加入した、いわゆるお宝保険などは、いまだに年利4~5%程度で運用されています。
めったにお目にかかることはありませんが(汗)。
金利が高いときに加入すれば、終身保険も貯蓄保険としての意味を成します。
また、長い間資産が凍結されたとしても、インフレリスクに負けることはありませんし、安心して預けておくことができます。
保障が不要になれば、払済保険に移行するのも良いでしょう。
このように、いろいろと利用方法を考えることができるのは、高金利で加入した保険ならではです。
では、現在のように低金利な状況でどうか?と言われますと、
残念ながら、不要である
と思います。
定期保険で保障を得つつ、ネット銀行の定期預金や、資産運用ができる方であれば、そちらで運用したほうが、自由度があり、リスクも少ないと思います。
金利が上昇すれば、また注目される可能性のある保険であると言えます。
今後の経済状況に期待、ですね。