最近の保険はだいたい「無配当保険」ですよね。
配当については、もう無いのが当たり前の時代のような気がします。
では、そもそも配当ってなんでしょう?
ついてたら良いことがあるのでしょうか?
配当の原資三利源について
三利源って、もう永らく聞かない言葉ですよね。
昔の保険は三利源の保険が多かったのですが。。。
では、そもそも三利源とはなんでしょう。
三利源とは
- 危険差益
- 利差益
- 費差益
の3つの利益のことを指します。
これだけだとわかりづらいですよね。
生命保険会社は保険商品を作って保険料を決めるとき、若干多めに見積もって保険料を決定します。
たとえば終身保険ですと、
- 1000人に1人亡くなられる確率であった場合、1000人に2人亡くなるものとして保険料を設定する
- 利率2%で運用できそうだが、運用に失敗したときのために利率1.5%として保険料を設定する
- 年間かかる維持費用は1億円の予想だが、1億5千万円として保険料を設定しておく
このような感じで、ある程度リスクを想定して保険料を設定しているわけです。
では、想定していたより亡くなられなかったり、運用がうまく行ったり、維持費がかからなかったりした場合は?
そうです、配当という形で契約者に還元するんですね。
先ほどの例ですと、
- 1.が危険差益
- 2.が利差益
- 3.が費差益
となります。
配当は、保険料を割り引くのに利用されたり、保険会社が預かったりなど、用途をご自身で選ぶことができるモノが多いです。
基本的には1年単位で計算し、決算期(3月末)に配当があるかどうか確認し、配当がある場合、契約者の方に配当を割り当てます。
これが三利源の保険における配当です。
昔の終身保険や養老保険に多かった保険です。
あらかじめリスクを多めに見積もって保険料を計算していますので、保険料が割高になりがちなのが欠点ですね。
その後に流行ったのは、利差配当です。
利差益については配当を出しますが、危険差益と費差益については配当出しませんよ、その分保険料を安くしてますよ、という保険ですね。
どんな保険であれ、支払われた保険料は保険会社が運用しています。
運用がうまくいけば、その分、原資が増えるわけですね。
たとえば、
- 100人に1人亡くなる確率
- 保険金は110万円
- この保険に100人が加入
だとしますと、必要になるお金は110万円です。
普通にお金を集めるのなら、
- 110万円 / 100人=11,000円
保険料は11,000円となります。
もし、集まったお金を10%で運用するつもりでいたのでしたら、その分、保険料が割り引かれます。
- 110万円 / 110% / 100人=10,000円
保険料は10,000円になりました。
さらに、運用がうまくいって、20%で運用できたとしますと、
- 100万円 x 120% - 110万円 = 10万円
10万円が利差益となります。
これを100人で割りますと、
- 10万円 / 100人 = 1,000円
一人あたり1,000円の利差益を受け取ることができるわけです。
利差配当については、5年ごとに配当を計算するタイプも多く、5年ごと利差配当付保険、略して5利差(ごりさ)なんて呼ばれ方をする保険も多いですね。
ちなみに、利差配当保険も最近は少なくなり、現在は、無配当が主流となっています。
最近の保険が無配当である理由
無配当は、そのままなのですが、「配当ありませんよ」っていう保険ですね。
配当がないとどうなるかと言いますと、リスクギリギリで保険料を決定していますので、保険料が安くなります。
- 低金利が永らく続いていますので、利差配当で利益を出しづらいこと、
- 不況が続いていますので、安い保険料の保険のほうが売れやすいこと
この2点から無配当保険が売れているのではないかな、と推測できます。
配当はあるに越したことはないのですが、基本的にはその分保険料が高くなっている、と思ってもらった方が良いかと思います。
景気が上向けば、また三利源や利差配当の保険も売れ始めるかもしれません。
が、現状はこういった理由で無配当が主流になっています。
保険料についてもう少し詳しく知りたい、という方は、以下の記事もご参照ください。