セカンドライフが始まり、だいぶ時間が経過しました。
旅行や水彩画、温泉めぐりなど、趣味に時間をかけることも多くなったと思います。
でも、心では若いつもりでも、「階段の上り下りがキツくなってきた」「ちょっと旅行に行くだけなのに辛くなった」など、体の変調を感じることが多くなったのではないでしょうか。
家でテレビを見ていると、生命保険のCMなどがよく流れ、「医療保険入ったほうがいいのだろうか」と気になることも多いと思います。
では、70代の方に医療保険は必要なのでしょうか?
統計からみる医療保険の必要性
入院に関するデータ
では、まずはデータから見てみましょう。
厚生労働省の平成23年(2011年)患者調査の概況によると、
70代の方で入院した人数は、
- 男性:75,300人
- 女性:66,300人
- 合計:141,600人
- 男性:85,000人
- 女性:91,100人
- 合計:176,100人
- 男性:160,300人
- 女性:157,400人
- 合計:317,700人
となっています。
60代と比較して、約1.5倍の人数となっています。
男性はそれほど伸びていないのですが、女性の入院数がかなり増えていることがわかります。
では、入院する確率を計算してみましょう。
総務省統計局の平成27年(2015年)5月報による人口推計より、各年代の人口を抜粋します。
また、各年代の人口と、先ほど記載した入院数をもとに、各年代の入院率を算出すると、
- 男性:364万人(2.07%)
- 女性:419万人(1.58%)
- 合計:783万人(1.81%)
- 男性:280万人(3.04%)
- 女性:352万人(2.59%)
- 合計:632万人(2.79%)
- 男性:644万人(2.49%)
- 女性:771万人(2.04%)
- 合計:1,415万人(2.25%)
だいたい2.0~3.0%の確率で入院するようですね。
33人に1人~50人に1人という確率です。
60代の入院確率が1.0~1.5%であったことを考えると、ほぼ2倍程度の入院確率となっています。
女性の入院数は伸びていますが、男性よりも人数が多い関係上、男性より入院率は下回っています。
入院が多くなった要因は?
全体的に病気にかかりやすくなってきているのですが、その中でも目をひくのが、
- がん
- 内分泌、栄養及び代謝疾患
- 神経系
- 循環器系
- 呼吸器系
- 消化器系
- 骨折
です。
いわゆる生活習慣病や、体の老化にともなう病気が増えています。
逆に、60代まで増加していた精神系の疾患が減少してきています。
仕事でのストレスから解放されることで、精神疾患にかかりづらくなっていると言えます。
体の変化にともなう病気が多いですので、面倒だとは思いますが、なるべく定期診断は受けておきましょう。
早めに発見することで解決できる病気は多いと思います。

手術に関するデータ
次に、手術する確率ですが、同じように年齢別、性別別に見ていきますと、
- 男性:29,800人(0.82%)
- 女性:21,600人(0.52%)
- 合計:51,400人(0.66%)
- 男性:28,400人(1.01%)
- 女性:24,200人(0.69%)
- 合計:52,600人(0.83%)
- 男性:58,200人(0.90%)
- 女性:45,800人(0.59%)
- 合計:10,400人(0.73%)
手術確率は0.5%~1.0%程度となっています。
100人~200人に1人という確率ですね。
手術数はそれほど伸びていませんが、手術確率では、60代の1.5倍程度となっています。
手術が多くなったのは
年を取るにつれて、わずかずつではありますが、
- 開頭
- 開胸
- 開腹
- 筋骨格系
の手術が増えています。
やはり、老化に伴い、体のメンテナンスをするため、手術が必要になったケースが多いと考えられます。
手術のリスクはさけられるものではないですが、普段から栄養バランスのとれた食事をし、ウォーキングなど軽い運動をしていくことで、体をケアしていきたいですね。

入院日数に関するデータ
では、入院した場合、どのくらいの日数入院することになるのでしょう?
- 男性:31.8日
- 女性:40.7日
- 平均:35.6日
- 男性:36.4日
- 女性:40.6日
- 平均:38.3日
男女ともに入院日数が伸びてきています。
入院日数が多いのは
長期入院の代表格であった、精神系疾患が減少することで、入院日数も減少するものと思っていたのですが、予想に反して増加しています。
理由としては、ほぼすべての病気において、入院が長期化しているためです。
年を取るごとに、治療にかかる時間が長くなっているのですね。
若いうちは、一部の病気が平均入院日数を引き上げていたのですが、年をとると、どの病気でも入院日数が長くなる、ということがわかります。

入院費用はどのくらい?
では、最後に入院した場合にかかるであろう費用を計算してみましょう。
費用に関する統計データはありませんので、ざっくりと計算してみます。
計算は、
- 入院日数:36日
- 1日あたりの医療費:5万円
- 月またぎアリ(18日ずつと仮定)
として計算します。
医療費:5万円 x 36日 = 180万円
ここで、高額療養費制度を適用します。18日ずつ2ヶ月にわたって入院していますので、
医療費実額:80,100円 + (90万円 - 267,000) x 0.1% =86,430円 ⇒ 44,400円
1ヶ月あたりの医療費が決定しました。
これに、食費である780円を入院日数分たしてあげると、
出費:85,75570円 + 780 x 18 = 58,440円
1ヶ月あたり、58,440円です。
2ヶ月で、116,880円ですね。
差額ベッドなどを利用しなければ、1回の入院でかかるお金は、12万円ほどです。
もちろん、手術をした場合も同じ金額におさまります。
70歳以上の方は、高額療養費制度が手厚くなります。
そのため、現役の方のだいたい半分くらいの費用でおさまります。
また、外来についても上限が設定されておりまして、12,000円を超えた金額は戻ってくるようになっています。
2.0~3.0%の入院確率で、かかるお金は12万円程度です。
まとめ
医療保険が必要か不要かと聞かれると、個人的には
不要です
と答えます。
たとえば、以下の保険に加入したとしましょう。
ORIX生命の人気商品『新CURE』です。
保険料は、70歳で計算しています。
保険期間:終身
- 払込期間:終身
- 入院日額:5,000円
- 手術:入院中:10万円、外来25,000円
- 高度先進医療特約付加
- 保険料:男性:6,842円
- 保険料:女性:6,042円
この保険料を10年間払い続けたとしますと、
- 男性:6,842円 x 12ヶ月 x 10年 = 821,040円
- 女性:6,042円 x 12ヶ月 x 10年 = 725,040円
10年間でも、非常に大きな買い物です。
1ヶ月の入院費用を6万円と仮定すると、
12ヶ月~14ヶ月入院しないと元が取れない計算になります。
データで見てきたとおり、通常の入院ではここまでかかるケースはまれです。セカンドライフは、これまでと違って、貯蓄を切り崩しながらの生活になります。
つまり、リスクに備える貯蓄がある状態で生活ができるわけです。
備えができているリスクは、リスクではありません。
そのため、
総払込保険料 < 受け取る保険金
でない限り、保険に入る必要はないと思います。
手厚い高額療養制度を受けながら、医療保険でもとをとるのは非常に難しいといえます。
これまで貯めてきた大事なお金ですから、保険に使うよりも、趣味や旅行、お孫さんへのプレゼントなど、有意義に使っていきたいですね。ですが…
高齢になるにつれて医療費よりも大きなリスクが存在します。
70代の方が備えておきたいリスクとは?
医療費によるお金のリスクよりも考えておきたいリスク、それは
- 体調の変化を相談できる相手がいないリスク
です。
70代に入られますと、体のいろいろなところに少しずつ変化が表れます。
「ちょっと体調がおかしいかな…でも、ただの気のせいかもしれないし、病院に行くほどでもないかなあ」
と思われることが多くなってくると思います。
そのときに病院に行っておけば早期発見・早期解決できかたもしれない病気が、悪くなってから病院に行くことによって、悪化したり、下手をすると万が一の危険に発展するかもしれません。
とはいうものの、何か変化を感じるたびに病院に行くのは非常に手間ですよね。
であれば、24時間体制で電話相談に応じてくれるサービスを利用しましょう。
「SBIいきいき小短」の「新いきいき世代」なら、医療保険に付帯するサービスとして、24時間無料電話健康相談サービスがあります。
相談相手も医師・看護師といった専門家ですので、相談内容についてきちんとした回答が得られると思います。
ご自身では体調の変化に気づいていなくても、ご家族の方が変調に気づき電話をしてくれて、病気の早期発見につながる可能性もあります。
70代以降の方は、なによりも病気の早期発見・早期解決が大事だと思います。これはお金に換えられない価値だと個人的には思います。
加入年齢は79歳までですので、70代の方でしたら問題なく加入できるかと思います。
- 保険期間:1年(100歳まで更新可能)
- 払込期間:1年
- 入院日額:5,000円
- 入院保障:1日~90日
- 手術給付:5, 10, 20万円(手術の種類による)
- 保険料(70歳):5,940円
- 保険料(75歳):7,180円
- 先進医療特約:100万円まで
無料電話相談サービスやセカンドオピニオンサービスをメインと考えた場合、入院日額5,000円で十分かと思います。
繰り返しお話していますが、70代に入ると高額療養費制度は手厚くなります。
付帯サービスをメインに考え、入院や手術給付、そして先進医療特約はあくまでお守りとして利用されるのが良いかと思います。
病気を早期発見・早期解決することで長期入院のリスクも少なくなるかと思います。
そのため、まず備えておくべきリスクとして、「体調の変化を相談できる相手がいないリスク」を挙げさせて頂きました。
冒頭に述べたオススメの医療保険は「新いきいき世代」です。
ご自身の健康のために、また、親御さんのためにお子さんがかけておいてあげるのも良いかと思います。
そして、持病があっても加入できる可能性があります。まずは資料を取り寄せ、詳細を確認されてみてはいかがでしょう。