子供も大きくなり始め、これから教育費がかさんでくる頃。
住宅を購入し、住宅ローンを払っている方も多いでしょう。
いろいろと大きな出費がひかえている現在、
「自分が病気になってしまったらどうしよう?」
と考える事もあるのではないでしょうか?
「万が一に備えて医療保険に加入しておいたほうが良いのかどうか・・・。」
悩まれていると思います。
では、40代の方にとって医療保険は必要なのでしょうか?
統計からみる医療保険の必要性
入院に関するデータ
では、まずはデータから見てみましょう。
厚生労働省の平成23年(2011年)患者調査の概況によると、
40代の方で入院した人数は、
- 男性:17,600人
- 女性:14,200人
- 合計:31,800人
- 男性:20,400人
- 女性:15,700人
- 合計:36,100人
- 男性:38,000人
- 女性:29,900人
- 合計:67,900人
となっています。
では、入院する確率を計算してみましょう。
総務省統計局の平成27年(2015年)5月報による人口推計より、各年代の人口を抜粋します。
また、各年代の人口と、先ほど記載した入院数をもとに、各年代の入院率を算出すると、
- 男性:496万人(0.35%)
- 女性:484万人(0.29%)
- 合計:980万人(0.32%)
- 男性:436万人(0.47%)
- 女性:430万人(0.37%)
- 合計:866万人(0.42%)
- 男性:932万人(0.41%)
- 女性:914万人(0.33%)
- 合計:1,846万人(0.37%)
だいたい0.3~0.5%の確率で入院するようですね。
200人に1人~300人に1人という確率です。
また、この年代から男性のほうが入院率が高くなっています。
男性の入院が多いのは
20~30代では女性のほうが入院率が高かったです。
理由としては、女性の一大イベントである出産による入院が多かったためです。
40代に入ると、出産される方が少なくなりますので、男女ともに純粋に病気での入院が多くなる、と考えられます。
ちなみに、入院理由としては、男女ともに「精神・神経系の疾患」が半数近くをしめています。
気になるがんは、男女ともに、まだそこまで多くの入院はありません。

手術に関するデータ
次に、手術する確率ですが、同じように年齢別、性別別に見ていきますと、
- 男性:8,000人(0.16%)
- 女性:9,600人(0.20%)
- 合計:17,600人(0.18%)
- 男性:8,500人(0.19%)
- 女性:8,700人(0.20%)
- 合計:17,200人(0.20%)
- 男性:16,500人(0.18%)
- 女性:18,300人(0.20%)
- 合計:34,800人(0.19%)
手術確率は0.2%程度となっています。
500人に1人という確率ですね。
40代では、男性と女性の手術数がほぼ同じになっています。
女性の手術が少なくなったのは
20~30代は、女性のほうが手術数が多かったです。
理由は、入院同様、出産にともなう手術が多かったのでは?と考えられます。
40代に入ると、女性の開腹手術の数が減っています。
- 30~34歳:3,800件
- 35~39歳:3,700件
- 40~44歳:2,300件
- 45~49歳:1,800件
このことからも、出産にともなう手術が少なくなってきたことにより、女性の手術リスクが減ってきた、ということが言えます。

入院も手術も数値だけ見ると、そこまで高い確率ではありません。
入院日数に関するデータ
では、入院した場合、どのくらいの日数入院することになるのでしょう?
- 男性:25.7日
- 女性:16.8日
- 平均:21日
- 男性:30.6日
- 女性:22.5日
- 平均:26.8日
20代、30代同様、入院日数は男性が女性を上回る結果となりました。
そして、年齢を重ねるにつれて、入院がどんどん長期化していることがわかります。
45~49歳の男性に関しては、平均入院日数が30.6日と1ヶ月を超えてしまっています。
高額療養費制度は、月単位で計算されますので、入院が月をまたいでしまうと、その分出費がかさんでしまいます。
その点は注意しておきたいですね。
入院日数が多いのは
統計を見たところ、他の年代同様、男性・女性ともに精神系疾患での入院日数がダントツで多いです。
男性の入院日数は、
- 40~44歳:175.9日
- 45~49歳:192.6日
女性の入院日数は、
- 40~44歳:73.8日
- 45~49歳:132.4日
男性については、入院が半年を超えるケースも珍しくありません。
2番目に多いのは、神経系の疾患です。
こちらも入院が100日を超えるケースがあります。
精神・神経系の病気は、予防しようと思って予防するのは難しいものです。
普段から食事に気を付け、適度な運動をし、ストレスを解消するなど、うまく予防していきたいですね。

入院費用はどのくらい?
では、最後に入院した場合にかかるであろう費用を計算してみましょう。
費用に関する統計データはありませんので、ざっくりと計算してみます。
計算は、
- 入院日数:25日
- 1日あたりの医療費:5万円
- 月またぎナシ
として計算します。
医療費:5万円 x 25日 = 125万円
ここで、高額療養費制度を適用します。
医療費実額:80,100円 + (80万円 - 267,000) x 0.1% =89,9300円
医療費としてかかるお金が決定しました。
これに、食費である780円を入院日数分たしてあげると、
出費:85,440円 + 780 x 25 = 109,430円
差額ベッドなどを利用しなければ、11万円~12万円で1回の入院費用はことたりる計算になります。
もちろん、手術をした場合も同じ金額におさまります。
0.3~0.5%の入院確率で、かかるお金は11万円程度です。
まとめ
医療保険が必要か不要かと聞かれると、個人的には
不要です
と答えます。
40代は貯蓄がしにくい年代です。
貯蓄に回すお金があるなら、住宅ローンの返済などにあてていきたいところでしょう。
キャッシュがあるとしても、子供の教育費に消えてしまうことがほとんどだと思います。
子供については、お金があればあるだけ使ってあげたいのが親心というもの。
とはいえ、医療費の11万円程度なら、なんとかすることができるのではないでしょうか。
不安な方は、まずは生涯をとおしての収支を計算してみることをオススメします。
詳細は、以下の記事をご参照ください。
また、入院をすることになり、働くことができなくなった場合、使える会社の保障があるかどうかもきちんとチェックされておくと安心だと思います。
傷病手当が出るかどうかなどは、働けない間の収入に大きく影響します。
また、ご家族に協力してもらえるか、についても話合っておきたいですね。
普段、専業主婦をされている方も、入院した場合、パートなどに出てもらえるかどうか。
こういった細かなところを、しっかりとチェックしておくおことで、無駄な出費をおさえ、大事なことにお金を回せるようになると思います。