周りでチラホラと、病気で入院した、ですとか、手術した、という話を聞くようになってくるのが30代です。
そういう話を聞くと、
「自分もいつ病気になるかわからないし、医療保険に入っておいた方がいいのだろうか」
と悩むと思います。
では、30代の方にとって医療保険は必要なのでしょうか?
統計からみる医療保険の必要性
入院に関するデータ
では、まずはデータから見てみましょう。
厚生労働省の平成23年(2011年)患者調査の概況によると、
30代の方で入院した人数は、
- 男性:9,000人
- 女性:15,200人
- 合計:24,200人
- 男性:13,700人
- 女性:16,200人
- 合計:29,900人
- 男性:22,700人
- 女性:31,400人
- 合計:54,100人
となっています。
では、入院する確率を計算してみましょう。
総務省統計局の平成27年(2015年)5月報による人口推計より、各年代の人口を抜粋します。
また、各年代の人口と、先ほど記載した入院数をもとに、各年代の入院率を算出すると、
- 男性:374万人(0.24%)
- 女性:362万人(0.42%)
- 合計:736万人(0.33%)
- 男性:429万人(0.32%)
- 女性:418万人(0.39%)
- 合計:780万人(0.35%)
- 男性:736万人(0.28%)
- 女性:847万人(0.40%)
- 合計:1,583万人(0.34%)
だいたい0.2~0.4%の確率で入院するようですね。
250人に1人~500人に1人という確率です。
また、20代同様、30代でも女性のほうが男性よりも入院しやすいという結果となりました。
女性の入院が多いのは
女性の入院で多いのは、やはり出産ですね。
30~34歳女性の入院数:15,200人中6,100人(40.1%)が出産での入院です。

手術に関するデータ
次に、手術する確率ですが、同じように年齢別、性別別に見ていきますと、
- 男性:7,100人(0.19%)
- 女性:13,300人(0.37%)
- 合計:20,400人(0.28%)
- 男性:8,000人(0.19%)
- 女性:13,100人(0.31%)
- 合計:21,100人(0.25%)
- 男性:15,100人(0.19%)
- 女性:26,400人(0.34%)
- 合計:41,500人(0.26%)
手術確率は0.1%~0.4%程度となっています。
250人に1人~1,000人に1人という確率ですね。
こちらも、男性より女性のほうが多いという結果になっています。
女性の手術が多いのは
女性の手術で多いのは、やはり出産でしょうか。
30~34歳女性の手術数:13,300人中5,200人(39.1%)が開腹手術ですので、帝王切開などの手術が行われたのでは?と考えられます。
また、女性は30~34歳をピークに、60歳前後まで手術数が減少します。
このことを考えても、女性に多いのは出産での手術だと考えられます。

入院も手術も数値だけ見ると、そこまで高い確率ではありません。
入院日数に関するデータ
では、入院した場合、どのくらいの日数入院することになるのでしょう?
- 男性:20.6日
- 女性:10.4日
- 平均:12.6日
- 男性:26.6日
- 女性:11.6日
- 平均:16.3日
20代同様、入院日数は男性が女性を上回る結果となりました。
そして、男性のほうが女性より倍以上の日数、入院していることがわかります。
入院日数が多いのは
統計を見たところ、男性・女性ともに精神系疾患での入院日数が、30代からはねあがっています。
特に男性にその傾向が強く、35~39歳では、
- 男性:98.9日
- 女性:72.4日
と、ほぼ3か月近い入院となっています。
仕事で責任ある立場につくことが多いこの年齢。
知らないうちにストレスがたまってしまう可能性が十分にありえます。
ちょっとおかしいかな?と感じたら、気のせいにするのではなく、早め早めに病院で検査をしてもらうのが良さそうです。

入院費用はどのくらい?
では、最後に入院した場合にかかるであろう費用を計算してみましょう。
費用に関する統計データはありませんので、ざっくりと計算してみます。
計算は、
- 入院日数:16日
- 1日あたりの医療費:5万円
として計算します。
医療費:5万円 x 16日 = 80万円
ここで、高額療養費制度を適用します。
医療費実額:80,100円 + (80万円 - 267,000) x 0.1% =85,430円
医療費としてかかるお金が決定しました。
これに、食費である780円を入院日数分たしてあげると、
出費:85,430円 + 780 x 16 = 97,910円
差額ベッドなどを利用しなければ、9万円~10万円で1回の入院費用はことたりる計算になります。
もちろん、手術をした場合も同じ金額におさまります。
0.2~0.4%の入院確率で、かかるお金は10万円弱です。
まとめ
医療保険が必要か不要かと聞かれると、個人的には
不要です
と答えます。
30代は働きざかりですから、それなりに収入も増えてきていると思います。
しかし、それと同時に、結婚や子供の養育費、また、住宅ローンなどで出費もかさみがちです。
そんな中、医療保険に入るのであれば、その分をキャッシュとして残しておけば、さまざまな用途に使うことができます。
とはいえ、入院するとその期間働くことができません。
その間、収入はどうなるのか?会社の保険で使えるものはあるか?などなど、万が一の備えについては考えておいた方が良いかもしれませんね。
そのうえで、どうしてもお金が足りなそうだ、ということであれば、医療保険も一考の価値ありだと思います。
また、
病気にかかってしまうと医療保険に入れなくなるリスクがある
ということがあります。
30代の方の0.2~0.4%が入院や手術をするということは、0.2~0.4%の方が、今後、医療保険に入れなくなるリスクがある、ということでもあります。
入院や手術をしなくても、健康診断の結果が悪かったり、通院しないといけない病気にかかることを考えると、リスクはもっと高まるでしょう。
今は入らなくても、将来的には医療保険に入りたい、と考えておられるのでしたら、健康なうちに加入されることをオススメします。
高額な医療保険はオススメできませんが、掛け捨ての安い終身医療でしたら、保険料はぐっとおさえられます。
この機会に、今後のことも含めて、ライフプランニングを見直してみるのも良いかもしれませんね。
ライフプランシミュレーションについては、以下の記事をご参照ください。