60代女性にオススメの生命保険は、
- がん保険
です。
生命保険の選び方や考え方がわからない!方は、最初に以下の記事がオススメです。
生命保険を難しく考えすぎていませんか? まず第一に、 生命保険はリスクに備えるモノです そして、 全てのリスクに備えることはできません そんなことすると保険貧乏になります。保険料で今の生活が破たんするなんてバカげていると思[…]
60代女性の生命保険加入率ってどのくらい?
では、まず60代の女性がどのくらい生命保険に加入しているのか見てみましょう。
生命保険文化センターの平成25年度調べによりますと、
- 83.0%
となっています。
50代の88.1%よりは低くなりましたが、それでも多いですね。
次に、生命保険の加入金額は、
- 652万円
となっています。
同年代の男性が1,130万円であるのに比較すると、約半分の保険金です。
それでも、高いんじゃないかしら?と思ってしまいます。
基本的には働いていなければ死亡保障は不要だと思いますので、60代女性の就労割合を見てみましょう。
2015年5月時点における、60代女性の就業率は、
(出典(「労働力調査結果」(総務省統計局)))
- 60~64歳:49.3%
- 65歳以上:15.6%
とかなり低くなっています。
それなのに、652万円もの死亡保障が必要なのかでしょうか。
では、実際に死亡保障が必要かどうかについて見ていきましょう。
60代女性に死亡保障は必要?
死亡保障については、以下の記事にも記載していますので、よろしければご参照ください。
亡くなられる確率だけ抜粋しますと、
- 60~64歳:19,306人(0.44%)
- 65~69歳:25,413人(0.52%)
となっています。
同年代の男性と比較すると、亡くなられる確率は半分以下となっています。
決して低い確率ではないですが、そこまで警戒するほど高い確率でもありません。
では、60代の女性に死亡保障は必要でしょうか?
死亡保障が必要かどうかは、これまでの年代同様、以下の条件がそろっている場合のみ必要と考えます。
- 結婚している
- 働いている
- 万が一亡くなられた場合、生涯収支が赤字になる
まず、専業主婦の方、独身の方については死亡保障は不要でしょう。
万が一の際に必要となるお金は葬儀代のみです。だいたい100~200万円ほどになりますので、貯蓄から十分まかなえると思います。
貯蓄がない場合でも、万が一の確率はそれほど高くありません。
そして、必要となるお金もそれほど大きくありません。
そのため、保険に加入してまで備えるリスクではないと思います。
次に、奥さんが働かれていても、万が一のことがあった場合に生涯収支が黒字なのでしたら、死亡保障の保険に加入する必要はありません。
生涯収支が黒字なのでしたら、保険に入らずとも残されたご家族は経済的には苦しむことはないためです。
これらのことを考慮しますと、死亡保障が必要となるのは、奥さんが働かれており、ライフプランシミュレーションの結果、生涯収支が赤字になる場合です。
ライフプランシミュレーションについては、以下の記事をご参照ください。
「定期の更新が来たので、よい機会だから保険を見直したい」 「結婚したから、これからは一家の大黒柱。倒れても大丈夫なように保険を見直したい」 「老後の資金が不安だ。このままでも大丈夫だろうか。年金などに入ったほうが良いかもしれない[…]
とはいえ、先ほどお話したとおり、60代女性の就業率はかなり低いです。
そのため、全ての条件が揃う方は少ないと思います。
よって、基本的には死亡保障は不要ですが、以下のようなケースの場合は必要になる可能性があります。
家族構成は、
- ご主人:61歳
- 奥さん:61歳
- お子さん:28歳
収入は、
- ご主人:年収200万円
- 奥さん:年収100万円
- 貯蓄額:2,000万円
とします。
今回のシミュレーションでは、世帯主は奥さんにしてください。
シミュレーションは『倹約』で行います。
何事もなければ、
- 収入:8,885万円
- 支出:10,695万円
- 収支:-1,774万円
と大幅な赤字になっています。
ここで、現役世代と違うところは、貯蓄を切り崩しながら生活をしている、という点です。
セカンドライフは年金だけで生活するのは非常に厳しいですから、セカンドライフ開始までに貯めておいた貯蓄を切り崩しながら生活していくことになると思います。
そのため、1,800万円近い赤字となっていますが、貯蓄額が2,000万円ありますので、貯蓄を切り崩しながら生活すれば、生涯収支は黒字となります。
ここで、もし奥さんが61歳のときに万が一のことがあったケースを想定します。
- 収入:7,307万円
- 支出:8,695万円
- 収支:-1,388万円
となり、1,300万円ほどの赤字となりました。
収入は減りましたが、生活費や税金にかかる支出が減少したため、何事もないケースよりも赤字金額が減少しています。
当然、貯蓄額の範囲に収まっていますので、死亡保障に加入される必要はありません。
では、以下のようなケースならどうでしょう?
年齢は先ほどと同じです。
- ご主人:年収100万円
- 奥さん:年収250万円
- 貯蓄額:1,000万円
何事もなければ、
- 収入:7,486万円
- 支出:8,427万円
- 収支:-941万円
と赤字金額は貯蓄額の範囲内におさまっています。
ここで、もし奥さんが61歳のときに万が一のことがあったケースを想定します。
- 収入:4,488万円
- 支出:5,681万円
- 収支:-1,193万円
となり、貯蓄額を200万円ほどオーバーしてしまいました。
必要な保障は、奥さんの年齢が、
- 61歳:193万円
- 62歳:4万円
- 63歳:-183万円
となりますので、61歳~62歳の2年間のみ必要となります。
このためだけに保険に加入するのは非常にもったいないですので、家計の収支を見直されて、万が一のときでも黒字になるよう調整されるのがベストだと思います。
ちょっと無理にシミュレーションをした感じがありますが、このように奥さんの収入がご主人の収入を超えている場合、もしくは、奥さんだけが働かれている場合に、万が一のことがあると、生涯収支の赤字がふくらむケースが多いです。
男性の就業率も含め、もう一度就業率を振り返りますと、
- 60~64歳男性:75.2%
- 60~64歳女性:49.3%
- 65歳以上男性:31.0%
- 65歳以上女性:15.6%
この数値を見ると、女性だけが働かれている、というケースは非常に稀であることがわかります。
そのため、奥さんに万が一のことがあった場合に生涯収支の赤字が膨らむ、すわなち死亡保障が必要となるケースも、稀であることがわかります。
つまり、ご家庭の事情にもよりますが、基本的には死亡保障は必要ない、と言えます。
女性の第一子出産年齢が30歳くらいであることから、お子さんは独立しているものとして記事を記載しています。
もしまだお子さんが独立されていないのでしたら、以下の記事をご参照頂けると幸いです。
50代女性にオススメの生命保険は、 がん保険 です。この記事では、 なぜ「がん保険」なの?「がん保険」の中からどうやって選べばいいの? 他の保険はいらないの? そもそも50代女性に生命保険は必要なの? […]
死亡保障についてまとめますと、
- 独身の方、主婦の方は基本的に不要
- 結婚されて働かれている場合も基本的には不要
となります。
60代女性に医療保障は必要?
医療保障については、以下の記事にも記載していますので、よろしければご参照ください。
入院される確率だけ抜粋しますと、
- 60~64歳:48,000人(1.09%)
- 65~69歳:47,600人(0.97%)
となっています。
ついに女性でも1%前後の入院率になってきました。
女性はこの年代に、精神疾患の入院日数がピークをむかえます。
ピーク時の平均入院日数は600日と、約1年8か月にもおよびます。
神経系の疾患についても、70代に入ると100日を超えてきますので、できれば医療保険で備えておきたいところです。
ただ、保険選びを開始される前に、まずはライフプランシミュレーションをされてみてください。
生涯収支が赤字なのでしたら、保険に加入される前に、生涯収支を黒字に転換するよう家計の見直しをされるべきです。
入院リスクは確かに怖いのですが、リスクはあくまでリスクです。
確率が高くなったとはいえ、1%です。
そのため、まずは何事もなかったときに、お金の心配をせず暮らせるよう、家計を見直してみてください。
黒字に転換して初めて、リスクに備えるという選択肢が出てきます。
では、生涯収支が黒字であるという前提で、どういう保険で備えるのが良いか見ていきましょう。
ピンポイントで長期入院に備えるなら楽天生命の『楽天ロング』が優秀です。
- 保険期間:終身
- 払込期間:終身
- 入院日額:1万円
- 入院保障:入院61日以降から保障。通算1,095日まで何日でも。
- 保険料(60歳):5,520円
たとえば、この保険に60歳~80歳まで20年間加入したとすると、
- 総払込保険料:5,520円 x 12ヶ月 x 20年 = 1,324,800円
130万円の出費となりますが、20年の間に、132日以上の入院をすれば元は取れる計算となります。
つまり、
- 193日以上の入院をした場合
- 132日以上の入院を2回以上した場合
ですね。
短期入院はさほど大きな家計負担になりませんので、『楽天ロング』で長期入院に備えつつ、がんにはがん保険で備えておけば、リスクヘッジとしては十分だと思います。
70代になりますと、高額療養費制度の保障が手厚くなり、短期入院や通院については、さらに家計への負担が減ります。
しかし、4ヶ月以上の長期入院については、現役世代と変わらない保障となります。
加えて、年齢を重ねるとともに入院は長期化しがちです。
そのため、余裕があるようでしたら、この年代から長期入院に備えておくと安心と言えます。
60代女性にがん保障は必要?
がん保障については、以下の記事にも記載していますので、よろしければご参照ください。
がんにかかる確率だけ抜粋しますと、
- 60~64歳:41289人(0.77%)
- 65~69歳:37054人(0.91%)
同年代の男性と比較すると、がんにかかる確率は低いのですが、それでも60代後半には1%にせまろうかという勢いです。
がんにかかる部位としては、乳がんがTOPなのは変わらずですが、それ以外の部位もまんべんなく増加してきています。
女性特有のがんだけではなく、その他のがんも警戒しなければならない年代ですね。
がんはかかってしまうと、治療期間が読みづらいうえに、先進医療を利用する可能性の高い病気です。
また、部位別罹患率のTOPである乳がんにかかってしまうと、ホルモン療法など通院による長期治療が行われることも多く、家計への負担は大きくなりがちです。
とはいえ、医療保険のところでも記載しましたが、保険に加入するのは、まずは生涯収支が黒字であることを確認してからにしましょう。
かかってしまった場合のリスクは確かに大きいのですが、それでも1%です。
かからない可能性のほうが高いわけです。
リスクに対して備えたことで、赤字が広がってしまっては、豊かなセカンドライフを送ることができない可能性があります。
そのため、まずは生涯収支をご確認ください。
では、実際にがんにかかってしまった場合、どのくらいのお金がかかるのでしょう。
以下に、がんにかかった場合の一例をあげてみます。
もし、5年間がんの治療にかかったとしますと、
- 1ヶ月の治療費:100万円
- 最初の3ヶ月は通常の高額療養費制度を利用
- 残りの期間は多数該当の高額療養費制度を利用
- 入院は最初の3ヵ月のみ、残りの期間は通院によるホルモン療法
まず、最初の3ヵ月の医療費ですが、
- (80,100円 + (100万円 - 267,000円) x 1%) x 3ヵ月 = 262,290円
残りの期間は多数該当となりますので、医療費の上限は44,400円です。
- 44,400円 x (4年間 + 9ヵ月) = 2,530,800円
ここで、重粒子線治療(先進医療)を受けた場合、全額実費となります。
重粒子線治療が300万円だったとして、総医療費は、
- 総医療費:262,290円 + 2,530,800円 + 3,000,000円 = 5,766,090円
医療費だけで600万円以上の出費となります。
実際には、差額ベッド代、食費、ウィッグなどなど、高額療養費が適用されない出費も出てくるでしょう。
また、通院を徒歩で行うのは辛いでしょうから、タクシーなどの交通費もかかるかもしれません。
それを考えると、非常に大きなリスクであると言えます。
ここで、メットライフ生命の『ガードエックス』に加入していたとします。
- 保険期間:終身
- 払込期間:終身
- がん診断一時金:100万円
- ホルモン剤治療:30万円
- 先進医療:先進医療実額 + 20%
- 保険料(60歳):9,079円
- 保険料(65歳):9,352円
60歳~80歳まで20年間加入していたとしますと、
- 総払込保険料:9,079円 x 12ヶ月 x 20年 = 2,178,960円
210万円を超す大きな買い物です。
このケースで支払われる保険金は、
- がん一時金:100万円 x 1回 = 100万円
- 先進医療実費 + 20%:300万円 x 120% = 360万円
- ホルモン治療給付金:30万円 x 4回 = 120万円
- 保険金総額:100万円 + 360万円 + 120万円 = 480万円
医療費総額にはおよびませんが、総払込保険料と比較すると、十分に元は取れている計算となります。
これだけあれば、差額ベッドを利用することも可能でしょうし、交通費に十分なお金をかけることもできます。
お金のことを気にせず、治療に専念することができるわけですね。
いざというときに慌てないためにも、がん保険はオススメです。
オススメのがん保険につきましては、以下の記事をご参照ください。
がんは気になるけど保険料が高いのはヤだな… いろいろプランがあってわかりづらい 専門用語が多すぎてどれがいいのかわからない がん保険を選ぼうとすると、必ず突き当たる壁ですよね。生命保険はわかりづらいモノが多いですが、中で[…]
その他に必要な保険ははないの??
可能性としては、
でしょうか。
女性保険は基本的にはオススメできません。
60代に入り、女性特有の病期が少なくなってきた、というのが最大の理由です。
基本的には、長期入院には医療保険で、がんにはがん保険で、それぞれ備えるのがベストだと思います。
ですが、ガチガチにリスクに備えたいわけではない、という方は加入を検討されても良いと思います。
最低限の備えはしておいて、万が一のことが起こった場合、ある程度は貯蓄を切り崩してもOK、という感じですね。
また、医療保険とがん保険、個別に入れるほど家計に余裕がない、という場合でも選択肢に入ってきます。
たとえば、オリックス生命の『新Cure Lady』ですと、
- 保険期間:終身
- 払込期間:終身
- 入院日額:1万円
- 女性特有の病期およびがんの入院日額:15,000円
- 手術(入院中):20万円
- 手術(通院):5万円
- 先進医療:先進医療実額を2,000万円まで保障
- がん診断一時金:100万円
- がん通院日額:1万円
- 保険料(60歳):10,747円
- 保険料(65歳):6,627円
※入院日額:1万円のプランは60歳までとなっています。それ以降の年齢の方は、入院日額:5,000円のプランとなります
60歳~80歳まで加入したとしますと、総払込保険料は、
- 総払込保険料:10,747円 x 12ヶ月 x 20年 = 2,579,280円
となります。
250万円を超す大きな買い物です。
先ほど例に出したがんのケースに当てはめて、保険金を計算しますと、
- 1ヶ月の治療費:100万円
- 最初の3ヶ月は通常の高額療養費制度を利用
- 残りの期間は多数該当の高額療養費制度を利用
- 入院は最初の3ヵ月のみ、残りの期間は通院によるホルモン療法
保険金は、
- がん入院:15,000円 x 60日=90万円
- 先進医療:300万円
- がん診断一時金:100万円
保険金総額は、
- 総受取保険金:90万円 + 300万円 + 100万円 = 490万円
がんに特化した『ガードエックス』の保険金が480万円でしたので、『ガードエックス』と、ほぼ同等の保険金を受け取ることができます。
ですが、これは決して『ガードエックス』の保障内容が悪いわけではありません。
仮に、1年おきに抗がん剤治療を受けていたとすると、ガードエックスでは一時金支払いの対象になりますので、
- がん一時金:100万円 x 4回 = 400万円
が受け取れます。
がんのところでも記載しましたが、60代に入ると、女性特有の部位以外のがんにもかかりやすくなります。
そうなると、抗がん剤治療など、一般的ながん治療を受ける機会も多くなります。
そうなったときに、他の商品では2年に1回しか、がん診断一時金が受けられないところ、所定のがん治療を受けた場合、1年に1回がん一時金を受け取ることができる『ガードエックス』は非常に強いです。
今回のケースでは、やや保険金に物足りなさを感じる『ガードエックス』ですが、通常のケースですと、他の商品よりも優れた点が多い商品です。
その分、保険料もお高いですが・・・。
とはいえ、見て頂いたとおり、女性保険でも商品をしっかり選べば、十分な保障を受けることができます。
ご家庭の家計状況や、どこまでリスクに備えるのかといったことを考慮して頂き、保険を決定されると良いかと思います。
女性保険につきましては、以下の記事をご参照ください。
最近、よく耳にするようになった女性保険。 女性にとってメリットのある保険、というイメージですよね。 ランチなどの女性プランや女性専用車両などは、基本的に女性に有利になるようにできています。 では、女性保険も、女性にとっていいことづくめ[…]
女性保険は、女性特有の病気に備えた保険ですね。 さまざまな商品があるため、ひとくくりにはできないのですが、女性保険に対する一般的な口コミや評判を集めてみました。 これから女性保険に加入しようと思っているあなたへ、参考になれば幸いです。 […]
まとめ
60代女性について、生命保険を保障ごとに見てきました。
最初にもお話したとおり、オススメするのは
- がん保険
です。
とはいえ、何度も繰り返しになりますが、まずは生涯収支を黒字にされてください。
リスクに備えるのはそのあとでも十分だと思います。
リスクに備える保険の優先順位としては、
- がん保険(女性保険) > 医療保険 > 死亡保障
で良いのではないかと思います。
生涯収支を黒字に転換されたうえで、どの保障を選べば良いのかわからない。
そういった場合は、保険の無料相談を利用されることもご検討ください。
相談をしているうちに、ご自身が本当にほしい保障が見つかるかもしれませんし、ひょっとしたら家計をさらに改善するアドバイスをもらえるかもしれません。
豊かなセカンドライフを送るためには、まずは余計な支出を減らすこと。
その後、備えるべきリスクについて保険で備える。
そうすることで、安心して楽しめる素敵な時間を過ごしていくことができると思います。
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