お子さんを持つ方の多くが、この年代でお子さんの独立をむかえると思います。
非常に寂しくなる半面、感慨深いものがあると思います。
お子さんが独立してしまったあとは、考えるべきはご自身のセカンドライフ。
万が一、の確率はどんどん高くなってきますが、残すべき金額は減っていきます。
そんな50代の方にとって、死亡保障は必要なのでしょうか?
統計からみる死亡保障の必要性
死亡率に関するデータ
まずはデータから見ていきますね。
50代の方が亡くなられる人数、そして確率ですが、
(厚生労働省 平成25年人口動態統計月報年計(概数)の概況より)
- 男性:13,505人(0.34%)
- 女性:7,072人(0.18%)
- 合計:20,577人(0.26%)
- 男性:21,240人(0.56%)
- 女性:10,120人(0.27%)
- 合計:31,360人(0.41%)
- 男性:34,745人(0.45%)
- 女性:17,192人(0.22%)
- 合計:51,937人(0.34%)
となっています。
死亡率を見てみると
40代と比較すると、亡くなられる確率が2~3倍にはねあがっています。
55~59歳の男性については、0.56%と、200人に1人が亡くなられる計算になります。
男性と女性を比較すると、男性のほうが女性よりも2倍近く亡くなられる確率が高いです。
セカンドライフを楽しみにして、ファーストライフのラストスパートを行っているときに病気に倒れてしまったのではもったいないです。
定期的に健康診断や人間ドックを受診し、病気については早期発見、早期解決していきたいですね。

死因に関するデータ
こちらのデータも「厚生労働省 平成25年人口動態統計月報年計(概数)の概況」を元に、管理人が算出した値を記載しています。
悪性新生物 | 31.8% |
その他 | 24.7% |
心疾患 | 15.0% |
自 殺 | 12.3% |
脳血管疾患 | 8.8% |
不慮の事故 | 5.4% |
肺 炎 | 2.1% |
老 衰 | 0.0% |
悪性新生物 | 55.2% |
その他 | 17.4% |
自 殺 | 7.8% |
心疾患 | 7.4% |
脳血管疾患 | 7.2% |
不慮の事故 | 3.4% |
肺 炎 | 1.5% |
老 衰 | 0.0% |
悪性新生物 | 39.88% |
その他 | 22.21% |
心疾患 | 12.38% |
自 殺 | 10.75% |
脳血管疾患 | 8.22% |
不慮の事故 | 4.68% |
肺 炎 | 1.89% |
老 衰 | 0.00% |
悪性新生物 | 40.0% |
その他 | 23.6% |
心疾患 | 14.4% |
脳血管疾患 | 8.0% |
自 殺 | 7.2% |
不慮の事故 | 4.4% |
肺 炎 | 2.4% |
老 衰 | 0.0% |
悪性新生物 | 56.9% |
その他 | 17.8% |
脳血管疾患 | 7.6% |
心疾患 | 7.5% |
自 殺 | 5.2% |
不慮の事故 | 3.0% |
肺 炎 | 1.9% |
老 衰 | 0.0% |
悪性新生物 | 45.4% |
その他 | 21.7% |
心疾患 | 12.2% |
脳血管疾患 | 7.9% |
自 殺 | 6.5% |
不慮の事故 | 4.0% |
肺 炎 | 2.3% |
老 衰 | 0.0% |
まとめると
男性女性ともに、死因の第一位は悪性新生物(がん)となりました。
女性はゆるやかに増加していますが、男性は50代に入って一気にがんのリスクが高まっています。
女性は50代をピークにがんによって亡くなる確率は減少しますが、男性は60代までがんのリスクは伸びていきます。
死亡保障も大事ですが、がんに対する備えも万全にしておきたいですね。

がん保険と医療保険については、以下の記事も参考にしてみてください。
死亡保障は必要?
お子さんがいる方については、お子さんが独立されていることを前提にお話します。
まだ独立されていない場合については、以下の記事をご参照ください。
まず、会社勤めの方は、利用できる保障について確認しておきましょう。
具体的には、死亡退職金の額や、確定拠出型年金の額などですね。
同じ会社でずっと勤められていた方であれば、死亡退職金はかなりたまっているはずです。
少なくとも、ご自身の葬儀費用については心配する必要はないでしょう。
問題は残されたご家族ですが、具体的には奥さん、もしくは主夫の方であれば、ご主人ですね。
その方が、今後、お金に不自由することなく生活するためにはいくら必要なのかを考える必要があります。
たとえば、
- ご主人は会社務め:55歳
- 奥さんは主婦:55歳
- お子さんは独立済み
- 毎月の生活費:30万円
- 奥さんのみで生活するとすると、生活費:20万円
- 死亡退職金:1,500万円
- 遺族年金:10万円
といった場合、
奥さんの90歳までの生活を保障しようとすると、
- 必要金額:20万円 x 12ヶ月 x 35年 = 8,400万円
- 遺族年金:10万円 x 12ヶ月 x 35年 = 4,200万円
- 死亡退職金:1,500万円
- 収支合計:1,500万円(死亡退職金) + 4,200万円(遺族年金) - 8,400万円 = -2,700万円
となり、2,700万円の赤字となります。
ただ、これを保険で備えようとするのはオススメしません。
以下の保険で、55歳男性の保険料を算出すると、
- メットライフ生命の「スーパー割引定期」
- もっとも安い非喫煙優良体
- 保険期間:10年
- 保険金額:3,000万円
- 月額保険料:8,310円
となります。
たとえば、65歳までこの保険料を支払ったとすると、
- 総払込保険料:8,310円 x 12ヶ月 x 10年 = 997,200円
ほぼ100万円です。
とても安い買い物とはいえません。
この場合、まずは、
- 生活費を安くすることはできないか?
- 貯金はないか?
- 奥さんが元気なうちは働いてもらうことはできないか?
ということをご夫婦で話合われることをオススメします。
それにより、収支が黒字に転じるかもしれません。
では、逆に奥さんが亡くなってしまった場合はどうでしょう?
奥さんが主婦の場合、経済的な損失はありません。
そのため、保険に加入する必要もありません。
奥さんが働かれている場合、ご主人が今後生活するのに必要な金額を、先ほどお話した例のように計算してみましょう。
結果として黒字であれば、保険に加入する必要はありません。
50代は、生涯収支について真剣に考えても良い時期だと思いますので、この機会にライフプランシミュレーションをされることをオススメします。
ライフプランシミュレーションについては、以下の記事をご参照ください。
まとめ
万が一のリスクは、年を重ねると加速度的に増えていきます。
でも、それにともない、必要なお金は増えるのではなく、むしろ減少していきます。
お子さんが独立された後は、基本的に死亡保障は不要です。
ただ、バブル期などに加入されたお宝保険をお持ちでしたら、解約するのではなく、払済保険に移行することで、高利回りが期待できる資産となります。
そういった保険をお持ちでしたら、解約せず、大事にとっておきましょう。
迷われた際は、無料の保険相談がオススメです。
相談相手は家計や保険といったお金のプロです。損をすることなくセカンドライフを迎えるために。一度、保険を含め家計の点検をされてみてはいかがでしょう。