主契約とは、保険の本体であり、保険に加入する際には必ず入らなければいけないモノです。
対して特約は、オプションとも呼ばれ、つけてもつけなくてもどっちでも良い、というモノですね。
これは、がん保険に限らず、どの保険でも同じです。
主契約がシンプルなほうが、特約で必要な保障だけをつけられますので、保険の知識がある方にとっては便利と言えます。
俗に言う「パッケージ商品」は、主契約になんらかの特約をつけて売っている商品が多いですね。
特約はつけたほうがいいの?
特約をつけたほうが良いかは、
- 主契約の保障内容
- ご自身が望む保障の内容
- 保険料
この3つのバランスによって決まります。
たとえば、
- がんと診断されたら100万円もらえる
- 1度お金をもらったら、2年以上たたないとお金はもらえない
というがん保険に入っていたとします。
そして、がんになってしまいましたと仮定します。
まず、100万円を受け取ることができます。
がんは思ったほど進行しておらず、半年ほど通院したところで完治しました。
1か月あたりにかかった医療費を10万円と設定すると、
10万円 x 6ヶ月 = 60万円
となり、100万円で十分まかなうことができました。
このケースですと、主契約だけで十分足りています。
では、別のケースを見てみましょう。
こちらのケースでも、まず100万円を受け取ることができます。
がんが予想以上に転移しており、治療に1年半かかりました。
1か月あたりにかかった医療費を10万円と設定すると、
10万円 x 18ヶ月 = 180万円
また、重粒子線治療を受けましたので、別途300万円かかってしまいました。
180万円 + 300万円 = 480万円
となり、がん保険に入っていたにもかかわらず、380万円出費することになってしまいました。
このケースですと、
- 先進医療特約をつける
- がん入院かがん通院特約をつける、もしくは
主契約で支払条件が1年に1回の商品に加入する
という保険に加入、もしくは特約をつけていれば、保険金で医療費をまかなえたと思います。
しかし、その分保険料は高額になります。
すべてのリスクに対応しようとすると、とてもじゃないですが、お金がいくらあっても足りないと思います。
そのため、保険料と保障のバランスを見極め、ご自身にとって、ベストな保険を作ることが大事になります。
がん保険の特約ってどんな種類があるの?
がん保険につけられる特約の代表的なものをあげ、個人的な要不要の考えを記載していきますね。
- 必要度:◎
- 保障内容:がんと診断されたとき一時金がもらえる
- 補足:通常は主契約に組み込まれていることが多いのですが、一部のがん保険では特約になっているものがあります。
手術・通院・その他諸経費など、何にでも使えますので、できればつけておきたい保障です
- 必要度:◎
- 保障内容:先進医療を受けた際に、実額(+α)を受け取れる
- 補足:がん治療における、大きな出費になりがちな先進医療を保障してくれる特約です。商品によっては、実額だけでなく、交通費や実額+20%を受け取れるものもあります。保険料も平均して100円程度と決して高くありませんので、できればつけておきたい保障です
- 必要度:○
- 保障内容:所定の治療を受けた際に一時金がもらえる
- 補足:通院での治療が主流になっている現在、治療を受けることが支払条件になっているのは、ありがたいです。特にホルモン治療などは5年以上かかることも珍しくありません。長期の経済リスクに備えることができるのは、ご家族にとっても大事なことだと思います
- 必要度:△
- 保障内容:がんで入院した場合、入院日数に応じてお金がもらえる
- 補足:入院期間が短くなっている現在、特に必要ないと考えます。高額療養費制度を利用すれば、月をまたがない入院であれば、そこまで大きな金額にはなりません。
怖いのは長期入院ですが、そのリスクはがんよりも普通の病気のほうが高いです。ですので、入院給付をつけるのであれば、がん保険ではなく、医療保険につけたほうが良いと思います。
- 必要度:△
- 保障内容:がんで手術をした場合、一時金がもらえる
- 補足:こちらも、高額療養制度を利用すれば、そこまで大きな金額にはなりません。そのため、基本的には不要だと思います。
- 必要度:△
- 保障内容:がんで通院した場合、通院日数に応じてお金がもらえる
- 補足:通院での治療が多くなっているとはいえ、個人的には不要だと思います。検査等の通院でしたら診断一時金でまかなうことができますし、治療にかかるお金が不安でしたら、治療用の特約を付加してほうが良いと考えるためです。
- 必要度:△
- 保障内容:一定期間がんにならなかった場合、お金がもらえる
- 補足:もらうお金を自分で積み立てているようなものです。保険は保険、貯蓄は貯蓄で分けて考えたほうが良いと思います。
- 必要度:○
- 保障内容:女性特有のがんにかかった場合、お金がもらえる
- 補足:商品によって保障内容はマチマチですが、加入を検討しても良いと思います。女性がかかりやすいがんである乳がんは、治療が長期化しがちですし、若いうちにかかってしまう可能性が高いです。
乳房再建術などに対応している商品もありますので、若くて貯蓄がないうちはつけておいて、ある程度貯蓄がたまってきたら外す、という選択肢もアリだと思います。
- 必要度:◎
- 保障内容:がんにかかった場合、以後の保険料を払わなくて良くなる
- 補足:がんにかかると、経済的負担は増えますし、治療期間中は働くことができません。そのため、がんにかかった後の家計負担を少しでも減らすためにも、できればつけておきたい特約です。
ざっくりですが、がん保険につけられる特約を記載しました。
この中には、主契約に組み込まれている保障もあります。
最初にも書きましたが、
- 主契約の保障内容
- ご自身が望む保障の内容
- 保険料
この3つの要素をうまくバランスを取って、特約をつけるかどうか考えていきましょう。